2017年のニュースです。ご報告やお知らせなどを掲載してまいります。

2015年~2016年ニュース:『2016-2015ニュース』

2006年~2014年ニュース:『2006-2014ニュース』

2017年 国登録有形民俗文化財「高原製粉精米水車場」水路石垣補修工事

国登録有形民俗文化財である「高原製粉精米水車場」の水路の石積みが長期的な土圧によって歪み、崩壊の可能性があるということで、補修のご依頼をうけ、工事をおこないました。

 

【国登録有形民俗文化財「高原製粉精米水車場」とは】

香川県高松市六条町に残る、日本国内最古級の水車場です。江戸時代に高松藩の御用水車として建設され、300年以上の歴史があります。
明治時代に高原家が購入され、水車の動力で、製粉・精米から製麺までを営まれていたそうで、そのことから「高原水車」と呼ばれるようになったそうです。
(現在は「高原水車友の会」(平田恵美会長)が保管され、定期的に一般公開もおこなっています。)

文化財を守るための石垣補修工事における留意点

【伝統の工法を用いる】
補修の際に、元の石垣と同様の施工方法をとってほしいとのご依頼でした。
そのため伝統的工法である石材施工(石積み作業)一級技能士の施工方法にて補修工事をおこなうことになりました。

 

石垣の裏側をセメントで固めてしまうことができれば簡単なのですが、伝統工法での作業の場合、裏側をしっかり作っておかなければならず、内側からの支えと水はけの用途としての裏込めを大量に用いていくので、どうしても手間と時間がかかります。
特に、セメントでの施工と伝統工法で大きく違ってくるのが、裏込めの奥行きです。セメントの場合は石垣の裏側を30cm程度の厚みを掘れば十分ですが、伝統工法での今回の作業は石垣の裏をできるだけ深く掘り安定させる必要があります。今回は、水車小屋が崩落しないギリギリとなる1m以上まで掘り、奥行きをしっかり造作しました。

【元あるものを元に戻す】
新しい石を使い、新規の石垣を据えるのであれば簡単なことなのですが、今回においては一度解体した石垣を同じように組み直すことが必要でした。

 

今回の石垣が国登録有形文化財である水車の一部であるため、歴史的価値を守る必要があります。石垣を構成するひとつひとつの石にも歴史的価値があるということです。
それに加え、この石垣に使用している石が現在採石されていない由良石であったため、替えがきかないということもさらなる緊張を生みました。

 

解体した石垣を再度積み直すという作業はまるでパズルです。たった一か所でも向きを間違ってしまえば、元通りには再現できなくなってしまいます。かといって、今回の依頼の条件の中では、入らない石を切り落として組み込むこともできません。
また、石垣の積み方も職人によって異なります。外観から見えない部分は解体してみないと分からないところもあると考えられます。

 

そのため、一つ一つの石がどのような角度でどのように設置されていたかを記録する為、全ての石に特殊糊を使ったテープを張り付け、ナンバリングをおこないました。更に、上下左右、水平垂直も記し、図面と資料写真も合わせて作成しました。
作業途中でも必要があれば記録写真をのこし、再現のための万全の準備を施しました。

 

おかげで、パズルはずれることなく完成しました。石を組み合わせていると正確な位置にきたとき、コトっと音をたててぐらつきなくはまる瞬間があり、それが分かるのです。
石と石がきちんと揃うと、その石垣は丈夫で安定したものとなります。

【水路の上にある水車小屋(国登録有形民俗文化財)に影響させない】
更に、今回の場合は水路南側に国登録有形民俗文化財である水車小屋が建っていました。
そのため、補修工事によって、建物に影響することのないように、細心の注意を払いました。
建物側(南側)の石垣の上部に、水車小屋の屋根が差し掛かっているため、南側の石垣の裏込めを掘る作業は重機が使えず、手作業となりました。

つるはしやスコップなどを使い、4人がかりで8日間の手掘り作業となりました。

(写真は手掘り作業風景です。水車小屋を支える柱を一旦外す必要があったので、ジャッキなどを使い梁を支えることも必要でした。)

難解な補修工事を無事完了させたことは自信につながりました

工事の期間は冬でしたが、それでも汗だくになるほどハードでした。

しかしながら、入念な下準備が幸いし、問題もおこらず順調に工事を完了することができました。
今回の経験は、文化財に関わる修復工事への自信につながったと思っています。また、もっと大きなもの…例えばお城の石垣などにも挑戦してみたいという思いも抱くようになりました。

 

今回の石垣補修工事は(株)大川石材にとって今までの経験と知識を活かすことのできる良い機会となりました。

 

これからもお客様の様々なご要望に対して丁寧で正確な技術力で対応することができるように更なる研鑚を続けてまいります。

2017年 (株)大川石材パンフレット『Pursue(追及)』の作成

パンフレット作成に至ったきっかけは、弊社の製品を取り扱っていただいている石材業者様から、「(株)大川石材がどういう加工工場なのかを顧客に説明できるものが欲しい」と言っていただいたことです。


構成は(株)大川石材の砥石研磨を追及するに至った経緯から、工程の見直し、研究の過程などをレポート風にまとめたものとなっています。

専門的な石材加工についての説明をビジュアル化しました

石材加工を説明する際、言葉だけで伝えようとすると、どうしても専門的で難しくなってしまいます。
そこを今回のパンフレットは、写真や図などで補い、分かりやすい表現を心がけました。

研磨へのこだわりが、なぜ大切なのかを知ってほしい

(株)大川石材では8工程の砥石研磨仕上げを標準採用しています。
精度の高い研磨は、汚れや風化に強く、高い耐久性を実現し、また、石にそなわる模様や色の美しさも際立たせます。
墓石とは受け継がれ、永く残していくものです。その墓石が時間を越えて美しさを保てることは、将来において本当のお客様の満足や喜びにつながると考えています。


日本の石職人としての心構えを新たに…

今回、自社のパンフレットを作成することは、石職人としての心構えを再確認する良い機会になったと感じています。

 

これからも、作る立場ではなく、常にお客様の立場に立って考え、「ここなら納得のいくものを作ってくれる」と思って頂ける株式会社 大川石材であるために、社員と共に最高の品質と技巧を追及し続けてまいります。


2017年8月 庵治石細目プレミアムサンプル作成

株式会社 大川石材ではこの度『庵治石細目プレミアムサンプル』を作成いたしました。

庵治石細目プレミアムサンプルは、採掘元 有限会社 太田秀雄石材店・加工元 株式会社 大川石材で製造する「庵治石細目(最上級材0番)限定になっています。

気品漂う石目の美しさはもちろんのこと、安定供給・アフターサービス・長尺・大型墓石の対応など、サンプルをご覧いただくだけでは判別できないソフト面まで総合的評価し、お勧めしております。

プレミアムサンプルには“庵治石の説明”が付いています。

販売店様の庵治石販売促進にお役立ていただけるように、プレミアムサンプルの蓋には『庵治石』の特長や歴史についての説明も記載しています。下の写真のように、蓋を立てて設置すればそのままPRツールとしてもご利用いただくことができます。

プレミアムサンプルの箱の色は『庵治石』の石目の邪魔をせず、尚且つ濃いグレーの色味を引き立てるために、漆黒を選んでおります。また、厚みや手触りも心地よさにも留意いたしました。

販売店様に『庵治石細目プレミアムサンプル』をご利用いただき、庵治石の魅力が広く伝わるきっかけになればと思っています。


石材見本は重要な“判断材料”の一つです。

弊社としても、“箱に入れる”という作業を経ることで、『庵治石』の美しさや価値を再認識することができました。

一枚の石材サンプルも、お客様にとっては重要な判断材料の一つであるということを心に留めて、これからも提案力を高めていくことに努めたいと思っています。

2017年8月 和泉砂岩の復古-和泉砂岩の特徴と可能性-

「あじストーンフェア2017」にも出展いたしました和泉砂岩のご紹介です。
和泉砂岩は江戸時代から昭和にかけての墓碑や石造物に使用されており、かなり古いものも存在します。中には経年変化した和泉砂岩製墓石なども見られ、今後、修繕修復加工の対応が必要となってくると思われます。
また近年使用されていなかったことから逆に新鮮であり、新たな石材の提案にもなるのではと感じております。

和泉砂岩を取り扱うことで、以下の対応が可能となりました。

和泉砂岩製墓石の部材交換対応

ノミやビシャンでの打撃力を加えず、研磨も低温でおこなうため、従来よりも傷みにくい製品加工が可能です。

石造文化財等の修繕修復加工対応

希少となった国産グレー系の和泉砂岩を使用し、伝統的な手加工仕上げ方法で供給することができます。


和泉砂岩について(「あじストーンフェア2017」の弊社展示パネルより)

庵治石産地と和泉石工の所縁

 江戸後期に当時の高松藩主により、徳川家康を祀るため屋島東照宮の造営が行われました。
 その時に現在の大阪府より、日本で一番高度な技術を持つ『和泉(泉州)石工』を多数呼び寄せたと言われています。
 和泉石工の子孫は今も庵治石産地で石工の技を磨き続けています。

今なぜ和泉砂岩が必要とされるのか

 江戸から昭和にかけての墓碑や石造物に使用されていることがあり、その修繕に利用することができます。
 和泉砂岩は補修に適した全国的にも希少なグレー系の砂岩です。
 花崗岩に比べて砂岩は軟質ではありますが、現代の加工技術によって従来よりも耐久性のある製品化が可能です。

和泉砂岩の特徴と歴史について

 かつての和泉国(泉州)、大阪府南部の山間で古くから採石されている堆積岩です。江戸~昭和にかけ各地で使用され、今も多くの丁場跡があります。
 青緑色を呈することから和泉青石とも呼ばれます。
 軟質ですが粘りがあるため御影石ではできない繊細な加工が可能で、風格のある独特な色味は他に類を見ません。


2017年6月 庵治ストーンフェア2017出展のご報告と御礼

平成29年6月10日(土)~11日(日)にサンメッセ香川にて開催された「あじストーンフェア2017」に出展いたしました。
お忙しい中、また遠方からも多くのお客様にお越しいただいたことに感謝申し上げます。

大変に希少な、和泉砂岩の墓石を展示いたしました

「和泉砂岩製墓石の部材交換対応」「石造文化財等の修繕修復加工対応」などの、新たなご提案と、ご紹介のために和泉砂岩の墓石を展示いたしました。
詳しくは、来月のニュースにてご報告いたします。

【8寸二重台 和泉砂岩 8.72才】

今回出展いたしました製品の紹介

写真左より
8寸三重台 庵治石中目(最上級材A)9.85才
8寸五輪塔二重台 庵治石細目(最上級材0番)9.93才
10寸宝篋印塔上下蓮華付三重台 庵治石細目(最上級材0番)18.18才

写真左より
10寸角布団付四重台 墓誌付 庵治石細目(最上級材0番)28.79才
10寸三重台 墓誌付 大島石(特級石善-碧)17.88才

 


庵治石や産地の成り立ちに、少しでも触れていただければと思い
庵治石誕生から、平安時代~江戸時代~現代と、採石から技術発展
産地形成の歴史を巻物調にまとめました。

 

また、今回は展示品の背景に、春夏秋冬の花を配することで、年月を越え、どの季節においても墓石の存在が不変であることをお伝えするとともに、一年一年研鑽を重ね、末永く貢献していきたいという弊社の思いを表現いたしました。

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